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スポーツ×地域 水戸ホーリーホック企業インタビュー

if design projectのパートナー企業、株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック。

熱い想いを持って、今回のプロジェクトに参画いただいたクラブスタッフの市原侑祐さんにクラブについてお話を伺ってきました。

プロサッカークラブとして随一の地域貢献活動を誇る水戸ホーリーホック

水戸ホーリーホックは、1994年に設立された、来年25周年を迎えるJ2のプロサッカークラブです。

「地域に根差したサッカークラブを目指そう」と立ち上がった茨城県3部リーグからはじまったクラブ(当時FC水戸)で、プリマハムFC土浦との合併を経て、1997年に旧JFL(ジャパンフットボールリーグ)へ昇格(現在のJ2)。順風満帆にクラブとして成長しているかのように見える一方、設立当初はその理想とはかけ離れ、行政との関係も希薄な時期があり、地域に愛されるような、誰もが知っているようなクラブではなく、集客力も芳しくなかったそう。

そんなクラブの状況は、2008年に現沼田社長が就任してから徐々に変わっていったと言います。

人が育ち、クラブが育ち、街が育つ

 そんな理念のもと、当初クラブを立ち上げた際の「地域に根差したサッカークラブを目指そう」といった目標を改めて掲げ、地域の幼稚園、保育園でのスポーツ体験教室、サッカースクールに入っている子供たちとのサマーキャンプなど、主に地域の子供たちへのサッカー・スポーツ体験を中心とした地域貢献活動を精力的に行ってきました。

去年の地域貢献活動はその数なんと年間865回!Jリーグクラブ全54クラブの地域貢献活動の平均が1クラブ年間約333回と言われている中で、2倍以上の地域貢献活動実績を行っています。

精力的な地域貢献活動から廃校を活用したクラブハウスの誕生へ

そんな精力的な地域貢献活動を行うようになっていた中、2015年に水戸市の隣町である城里町で当時茨城県内最年少の首長、上遠野修氏が当選。廃校となっていた城里町立七会中学校の活用を公約に掲げていた中、当時河川敷のグランドを練習場として使っており、常々より良い環境の練習場やクラブハウスを持ちたいと考えていた水戸ホーリーホックに話が持ちかけられます。

「サッカークラブは大なり小なり公共的な側面があるものですが、一民間企業に公共施設である廃校利用のお話をいただけたのは、事業チーム ホームタウン担当者を中心として継続的に精力的に行っていた地域貢献活動によるところが大きいと思う」と、市原さんは言います。

これから先のクラブ経営を考えた時に、また、「人が育ち、クラブが育ち、街が育つ」という企業理念に照らし合わせた時に、廃校を利用したクラブハウスという事例は、サッカーやスポーツによる地方創生のモデルにもなり得るということで、行政と協働し、一緒にやっていこうということになったそうです。

地域とチームをつなぐ廃校を活用したクラブハウス「アツマーレ」

そうしてできたクラブハウスが七会町民センター「アツマーレ」です。

「アツマーレ 」は城里町が所有する施設であり、全てがサッカークラブのクラブハウスになったのではなく、城里町七会支所・公民館の機能を有することで、行政・町民・サッカークラブが一体となって利用しているのが、この施設の特徴。

クラブの選手たちと同じトレーニングジムを利用でき、時にはトレーニングの仕方を選手に聞いたり、教えてくれたりもする。町の方々のサークル活動ができるスペースや図書スペースまでもあります。

スタジアムで応援している選手との交流がこんなにも身近に感じられるクラブハウスは中々ないのではないのでしょうか?

if design projectに期待すること

そんな水戸ホーリーホックですが、今回のif design projectでは参加者に「新たな地域貢献事業の在り方」や「アツマーレや周辺公共施設等の活用を踏まえたスポーツを中心とした地域活性化策」を考えてもらいたいそうです。

J2の中で、実は最も経営規模が小さい水戸ホーリーホック。現在行っている地域貢献活動はパートナー企業様にご支援をいただき活動している一方で、スポーツチームとして存続していくためにはこれらの事業での更なる収益化が求められているそうです。やはり強いチームをつくるためには、優秀な選手が必要であり、そのためにはある程度の費用が必要になります。より地域に愛されるため、強いチームづくりも必要で、そのためには現在水戸ホーリーホックのストロングポイントである地域貢献活動を発展させ、よりクラブの収益に繋がるようにデザインすることが必要だと、市原さんは言います。

また、「人が育ち、クラブが育ち、街が育つ」ことを考える水戸ホーリーホックは、「アツマーレ」という貴重な施設を活かしながら、街の活性化を図っていくことで、新しいサポーターの獲得や選手の意識向上を図り、より地域に愛されるチームを目指しています。「サッカーチームと地域が連携し合うことで、こんなことが地域でできるんだということを1つの事例として世間に示していきたい。」と、市原さんは想いを語ってくれました。

if design projectを通して、これらの課題に対する1つのアイデアを発表してもらうことで、この地域でこんなことができるんだという気付きを行政やクラブ職員、地域の人が得られる。そしてその気づきが実際のプロジェクト化に結び付くようになると良いと、今回のif design projectに期待を寄せていただています。様々な方にご参加いただきたいのは勿論のこと、男性女性問わず柔軟な視点を持った方に参加いただきたいそう。ぜひif design projectにご応募ください!

if design projectを通した地域・企業の未来

if design projectを通し、このプロジェクトがターニングポイントとなって、「アツマーレ」がある城里町を知ってもらって、関わってもらえる人を増やし、ゆくゆくは住んでくれる方が増えると嬉しいと市原さんは言います。

また、クラブにとっても、「スポーツを中心とした地域活性化を発信、提案し、地域に貢献していけるようなクラブ」をこのプロジェクトをきっかけにより加速的に目指していきたいとの想いがあるそう。

そんな想いを胸に参画いただいている今回のif design project。水戸ホーリーホックという熱い想いを持ったサッカークラブの未来、そして地域の未来を変えていくのは、もしかしたらあなたのアイデアかもしれません。「スポーツと地域」をテーマに市原さんのような想いを持った現地のプレイヤーや様々な背景を持った参加者と共創されたい方。ぜひご応募をお待ちしています!